Hyperliquid、1株の約定で18.7%急落—SKハイニックス永久先物SKHXを襲った2分間

By山本 達也

2026年7月31日 #Hyperliquid
Hyperliquid、1株の約定で18.7%急落——SKハイニックス永久先物SKHXを襲った2分間

Last Updated on 2026年7月31日 by Co-Founder/ Researcher

2026年7月28日、Hyperliquid上でTradeXYZが運用するパーペチュアルSKHXが、韓国のプレマーケット時間帯に急落した。清算判定の基準となるマーク価格は1127.90ドルから917.25ドルへ18.7%下落し、板上の取引価格は一時927ドルまで沈んだ。

SKHXはSK Hynix普通株1株の米ドル建て価値を追跡する契約である。DefiLlamaによると、その後の建玉は4億728万ドルで、24時間で20.29%減少した。24時間取引高は9億5900万ドルだった。同日、KOSPIは20分間のサーキットブレーカー発動を経て10.84%安で引け、SK Hynixの韓国株は14.65%安の155万ウォンで取引を終えた。

7月29日、TradeXYZは公式声明を発表し、オラクルは公表仕様どおり動作したと説明したうえで、本件に起因する清算損失を一回限りの裁量判断として補償すると表明した。適格基準は後日通知、配布は数日以内としている。

From: Inside the brutal 2-minute flash crash sending a $400M South Korean market plunging on Hyperliquid

【編集部解説】

4億ドル規模の建玉を2分で揺らしたのは、たった1株の約定でした。この事件の中心にあるのは、SKハイニックス株「1株」です。

協定世界時の2026年7月27日23時1分(韓国・日本時間では28日の8時1分)、韓国の代替取引所NXT(Nextrade)のプレマーケットで、SKハイニックス株1株が127万2000ウォンで約定しました。前日終値181万6000ウォンから29.96%低い、その日の値幅制限に達する水準です。株価は約2分後に買い注文が入り、170万ウォン台へ戻りました。韓国メディアは、流動性の薄い時間帯での発注ミスの可能性を指摘しています。

この1株が、Hyperliquid 上の xyz:SKHYNIX(SKHX)を突き落としました。清算判定の基準となるマーク価格は1127.90ドルから917.25ドルへ18.7%下落し、板上の取引価格は一時927ドルまで沈んでいます。前者は TradeXYZ が公式声明で示した数値、後者は市場で観測された安値であり、指標が異なります。

なぜ1株で市場が動いたのか。その答えは、NXTの板の作り方にあります。韓国取引所(KRX)の本場は、寄り付き前に「板寄せ」(コールオークション)で始値を決めます。多数の注文を集約して均衡価格を導く方式であるため、外れ値の1株だけで始値が決まりにくい仕組みです。一方、2025年3月4日に稼働したNXTは、朝8時から夜8時まで動く韓国初の代替取引システムで、プレマーケット時間帯も継続的な相場立会(ザラ場)方式を採っています。買い板が薄い開場直後、1株の売り注文が下限値でヒットすれば、それが「約定した実勢価格」として成立してしまうのです。

TradeXYZ のオラクルは、外部市場が開いている時間帯にその価格を参照し、ウォンをドルへ換算する設計です。朝の外部価格参照ウィンドウは韓国時間8時から8時50分に設定されています。仕様どおり、この約定を反映した外部価格入力が取り込まれました。TradeXYZ は公式声明で、この約定が複数の独立したデータプロバイダーから配信されていたと説明しています。つまり「バグ」でも「不正なフィード」でもなく、設計どおりに動いた結果だ、というのが同社の説明です。第三者監査による結論ではありません。

ただし「仕様どおり」は、プロトコル上の免責を意味しません。HIP-3 のスラッシング条項は、契約仕様から逸脱した展開者と、「不出来な契約仕様を忠実に実行した展開者」とを区別しないと明記しています。悪意と無能力も区別しません。判断基準は、その行為がプロトコルに与えた影響のみです。仕様どおりに動いたという説明は、原因の記述ではあっても、責任の解除ではありません。

ここが本件の厄介なところです。TradeXYZ の説明上、オラクル処理自体は公表仕様どおりでした。今回の事象が露呈させたのは、参照先市場で成立した単一の約定が、必ずしも経済的な代表性を持つ価格とは限らない、という設計上の前提のほうです。

安全装置は作動していました。しかし、それでも足りませんでした。TradeXYZ は「ディスカバリー・バウンド」と呼ぶ、マーク価格の変動幅を制限する仕組みを持っています。

事象当時の設定について、複数の報道は「瞬間変動10%の制限とリセット1回の組み合わせにより、セッション基準値の19%下に下限が形成されていた」と説明しています。ただし現在公開されている TradeXYZ の仕様表では、SKHYNIX のリセット回数は0と表示されており、事象時点の設定を確認できる保存済みの公式資料は見つかっていません

確実に言えるのは結果のほうです。原資産側で29.96%の異常値が成立したのに対し、マーク価格の下落は18.7%にとどまりました。少なくとも、マーク価格の下落は原資産より約11ポイント抑制された——この事実は動きません。にもかかわらず、抑制後の18.7%は、多数の高レバレッジ・ロングを清算するには十分な下落でした。

被害の規模は、いずれも第三者による推計です。オンチェーン分析アカウントMarketsAlphaの分析では、960のロング口座で約5740万ドル相当のポジションが閉じられ、実現損失は約1730万ドル。その後、バックストップへのポジション移管を経て、約100の利益ショート口座が自動デレバレッジ(ADL)の対象となり、約1080万ドル相当の利益が強制的に確定したとされています。この1080万ドルはショート側の損失ではなく、意に反して決済された利益額です。TradeXYZ・Hyperliquid のいずれも、これらの数値や処理順序を公式に確定していません。個別事例としては、208万ドル相当のロングポジションが全清算され、約26万ドルの損失が生じたケースが追跡されています。

安全装置が「壊れた」のではなく、「作動したうえで被害が出た」——ここが今回の見るべき論点だと考えられます。安全装置の閾値をどこに置くかは、設計者の裁量です。変動制限の幅にも、リセットの回数にも、絶対的な根拠はありません。誰かが決めた数字が、そのまま数千万ドルの資産の生死を分けています。

清算の処理経路を決めるもう一つの要素が、証拠金方式です。そしてここで、奇妙なことが起きています。

HIP-3 はクロスマージンに対応していますが、有効化は不可逆であり、バリデーターが定める適格性基準の対象となります。公式仕様が挙げるのは、十分な観測可能流動性、信頼できる外部オラクルソース、価格操作への耐性の3点です。さらに、対象資産の外部パーペチュアル価格が日初の基準価格から50%以上動くたびに、バリデーターは操作の有無を審査し、展開者のスラッシングを検討すると規定されています。

そして仕様は、各HIP-3取引所に配置されるオンチェーンのバックストップ清算人について、引き受けの対象はクロスマージンが有効な資産に限られ、それによって高ボラティリティ時のADL発生確率が大きく下がると説明しています。バックストップ清算人自身も独立した一利用者であり、取引所の支払能力を保証するため、最終的にはADLへフォールバックします。

では、SKHYNIX はどちらだったのか。これについては公開資料が食い違っています。事故直後に TradeXYZ の仕様を確認した BeInCrypto は、xyz:SKHYNIX がクロスマージン、同じ取引所のサムスン電子とヒュンダイの契約が分離マージンだったと報じました。一方、TradeXYZ の仕様一覧を参照した別の確認では、SKHX が分離マージンとして記載されているとの結果も出ています。同社は各契約の証拠金方式を仕様一覧で公開していますが、事故時点の設定を示す保存済みの記録は見つかっていません。

単純な設定変更では、この食い違いを説明できません。HIP-3 においてクロスマージンの有効化は不可逆であり、いったんクロスにした資産を分離へ戻すことはできないからです。公開仕様の更新遅れ、記載の誤り、報道側の確認ミス——いずれの可能性も残ります。事故時点でどちらだったのかは、確定していません。

なお TradeXYZ は2026年2月26日、米国主要7銘柄についてクロスマージンを有効化したと告知しています。韓国株の契約がいつ、どの方式で運用されていたかについて、同様の公式告知は確認できていません。

この差は小さくありません。分離マージンなら TradeXYZ のオンチェーン・バックストップによる緩衝を受けられず、清算はより直接的にADLへ向かいます。クロスマージンならバックストップが緩衝するはずですが、同一口座・同一取引所内の他ポジションへ損失が波及する経路が開きます。どちらであったかで、960口座と100口座に何が起きたかの説明は変わります。そして、どちらの方式が被害を大きくしたのかを判定できる口座別のデータも公表されていません。

ここで注目すべきは、この確認作業そのものだと考えます。

通常の公開ドキュメントやウェブアーカイブを追うだけでは、事故時点の設定にたどり着けませんでした。もっとも、記録がまったく残っていないわけではありません。Hyperliquid は過去のブロックとL1トランザクションを公開しており、証拠金テーブルの設定変更も展開者のアクションとして記録されます。ただし公式の履歴データはデータ欠落の可能性を明記しており、どのアクションをもってクロスマージンの有効化時点と確定できるかは、公開資料だけでは明確になっていません。事故時点の設定を確定するには、L1履歴と当時のプロトコル状態を専門的に解析する必要があります。

清算された960口座のトレーダーが、自分の契約がどちらの証拠金方式だったかを知ろうとしたとき、仕様ページを開くだけでは足りない。「すべてがチェーン上にある」ことと、「誰でも確認できる」ことのあいだには、解析という一段の壁があります。それが現在のパーミッションレス金融における「透明性」の実像です。

HIP-3 は、50万HYPE(7月29日のHYPE価格で約2750万ドル相当)をステークすれば、誰でもパーペチュアル市場を立ち上げられる仕組みです。公式ドキュメントは、この閾値がインフラの成熟にともなって将来的に引き下げられる可能性に言及しています。ステーク要件は、取引所の展開後、最低183日間の維持が求められます。

展開者(デプロイヤー)が市場定義・オラクル定義・オラクル価格・レバレッジ上限・決済を制御し、板・マッチングエンジン・マージンエンジンは HyperCore を継承する。権限の分割は明確です。

Hyperliquid Labs を率いるコア貢献者「iliensinc」は、Discord で不満を訴えるトレーダーに対し、Hyperliquid はパーミッションレスなブロックチェーンであり、各チームがこれをインフラ層として市場を展開・運営していると説明。XYZチームが調査中であり結論が出次第共有すると述べました。防御的というより構造的な説明です。

そして HIP-3 のスラッシング機構は、展開者のステークを焼却するもので、バリデーターにも被害者にも配分されません。仮に満額が科されたとしても、スラッシュされた資金からは清算された960口座に1ドルも戻らない設計です。オラクルの不備などを理由にバリデーターが市場を停止できるようにする案は、HIP-3.1として同趣旨の提案が議論されましたが、現行仕様の採用済み機能ではありません。展開者自身には、注文を全取消しして建玉をマーク価格で決済する停止権限が与えられています。

構造上、損失を被ったトレーダーには救済の道がなかったはずでした。

ところが7月29日、TradeXYZ は「本件に起因する清算損失を補償する」と発表しました。同社はこれを一回限りの裁量的判断であり、将来の同種事象での対応を約束するものではないと明言しています。適格基準は後日通知とされ、配布は数日以内が目安として示されました。総額と厳密な対象範囲は未定です。

この一文は、単なる善意の表明として読むべきではないと編集部は考えます。コードでもガバナンス投票でもなく、一企業の経営判断が救済の範囲を決めた——分散型を標榜する仕組みにおいて、この事実は記録されるべきものです。

そしてこの構図には、もう一段の含意があります。2026年6月時点の分析では、HIP-3市場全体の建玉の90%以上が TradeXYZ に集中しているとされます。「誰でも市場を作れる」制度設計にもかかわらず、実態は単一の展開者が支配的な位置を占めている。今回の一件が、特定の一社の設計判断と経営判断に丸ごと依存していた事実と、この集中度は重なります。

背景として押さえておきたいのは、原資産市場そのものが史上級の暴落を演じていたことです。

同日、KOSPI は 732.09ポイント安の 6023.66、10.84% 下落で引けました。9時06分に KOSPI200先物の急落を受けたサイドカーが発動し、前日比下落率が8%を超えた10時13分にはレベル1サーキットブレーカーが作動。20分間の売買停止となりました。2026年に入って8回目、制度導入以来14回目の発動です。KOSDAQ も 7.72% 安の 705.85。SKハイニックスは 14.65% 安の155万ウォン、サムスン電子も 13.39% 安で引けました。中国CXMTの上海STAR市場でのデビュー(初日に約466%上昇)と、中国による液浸DUV露光装置の生産開始報道が下落要因の一つとなりました。世界的なAI投資への懸念、米国半導体株の下落、レバレッジ解消の連鎖も重なっています。KOSPI は7月28日終値時点で月初来29%安となりました。

つまり、異常な値が「もっともらしく」見えてしまう環境が整っていたのです。オラクルには文脈を読む能力がありません。取り込んだ数字が「1株の外れ値」なのか「市場崩壊の先触れ」なのかを、機械は区別できませんでした。

そしてもう一つ。SKハイニックスの米国預託証券(ADR)は、7月10日に取引を開始し、13日にSKHYとして通常決済へ移行したばかりです。ADR10株が本国の普通株1株に相当します。ADRは7月27日の米国市場で 7.5% 安の143.02ドルで引け、7月の取引開始以来はじめて公募価格149ドルを下回りました。

同社の株価は、ソウルの本場、NXTの時間外、ナスダックのADR、そしてHyperliquid のパーペチュアル——少なくとも4つの場所で、異なる時間帯に、異なる流動性で形成されている。24時間動き続けるオンチェーン市場が、数時間しか開かない現物市場を参照する。この接続点に、構造的な脆弱性が生まれます。

NXT は9月14日から、静的ボラティリティ・インタラプション(VI)と単一価格取引を導入する計画です。急激な価格変動が生じた際、2分間のコールオークションに切り替えるという仕組みで、今回のような単発の異常約定が「実勢価格」として成立するのを防ぐ狙いがあります。

TradeXYZ 側も、外部市場の価格を自社システムへ取り込む方法の見直しを前倒しすると表明しました。参照先市場に対する前提を再検討し、流動性が深まってきた自社の板における価格形成をより重視する方向だとしています。自社板だけを参照するとは述べていません。見直しの実装時期と内容は、いずれも未発表です。

興味深い転回です。「現実の株式市場の価格を正とする」設計から、「自らの板が生む価格にも重みを置く」設計へ。合成資産が、参照元から少しずつ距離を取り始めているとも読めます。

株価連動型パーペチュアルは、これまで「規制の外側にある投機商品」として扱われがちでした。しかし今回の一件が突きつけたのは、もっと本質的な問いだと考えます。

価格とは、いったい何によって正当化されるのか。伝統的な市場では、板寄せ、サーキットブレーカー、値幅制限といった複数の緩衝装置が、「異常値を価格として認めない」ための時間と手続きを確保してきました。それらは長い金融史のなかで、事故のたびに一つずつ積み上げられてきた知恵です。

パーミッションレスな金融は、その積み上げをいったんゼロに戻したうえで、必要なものだけを再実装するという実験です。TradeXYZ のディスカバリー・バウンドは、伝統市場の値幅制限と機能的に類似します。ただし基準価格の取り方、更新頻度、清算への影響、そして運営主体は、いずれも異なります。今回、その再実装が「あと一歩足りなかった」ことが実証されました。

7月29日、SKハイニックスは第2四半期決算を発表しました。売上高79兆3187億ウォン、営業利益60兆5426億ウォン。いずれも過去最高水準ながら、市場予想(それぞれ約84兆ウォン、約64兆ウォン)を下回り、同社株はプレマーケットで下落しています。TradeXYZの見直しが実装されるまでの間は、NXT由来の外部価格入力が再びマーク価格へ影響する可能性があります。

今後見直されるシステムが、次の同種事象にどう応えるのか。それを見届けることは、オンチェーン金融が「金融」になれるかどうかを見届けることと、ほぼ同義です。

【用語解説】

パーペチュアル(無期限先物)
満期のない先物取引だ。ファンディングレートと呼ばれる定期的な資金授受により、契約価格を原資産の価格へ引き寄せる仕組みを持つ。SKHX のように、実際の株式を保有せずに株価変動へ賭けられる商品を合成資産と呼ぶ。株式の所有権や配当を受け取る権利は生じない。

HIP-3(Builder-Deployed Perpetuals)
Hyperliquid の改善提案の一つで、2025年10月から稼働している。50万HYPE をステークすれば、運営元の承認なしに独立したパーペチュアル取引所を展開できる。展開者は市場定義、オラクル定義、オラクル価格、レバレッジ上限、決済を自ら管理する一方、板・マッチングエンジン・マージンエンジンは HyperCore のものを継承する。各取引所の最初の3銘柄はオークション不要で、4銘柄目以降は共有のオランダ式オークションを経る。ステーク要件は、取引所の展開後、最低183日間の維持が求められる。

HyperCore
Hyperliquid の中核エンジンだ。注文板の状態管理、約定処理、証拠金計算、清算、自動デレバレッジを担う。HIP-3 で展開された市場もこの基盤を共有する。

スラッシング
展開者がステークした資産を没収する罰則だ。HIP-3 では、バリデーターによるステーク加重投票で実行され、没収された HYPE は焼却される。バリデーターにも被害者にも配分されない。契約仕様から逸脱した展開者と、不出来な仕様を忠実に実行した展開者を区別せず、悪意と無能力も区別しない。判断基準は、その行為がプロトコルに与えた影響のみである。

展開者アクション(Deployer Actions)
HIP-3 の展開者が自身の市場に対して実行できる操作の総称だ。オラクル価格の更新、取引の停止と決済、証拠金テーブルの設定などが含まれ、いずれもL1トランザクションとしてチェーンに記録される。Hyperliquid は過去のブロックとトランザクションを公開しているが、公式の履歴データには欠落の可能性が明記されており、特定時点の設定状態を確定するには追加の解析が必要となる。

静的ボラティリティ・インタラプション(VI)
基準価格からの急変動を検知した際、一定時間コールオークションへ切り替えて価格形成をやり直す仕組みだ。NXT は2分間の切り替えを行う制度を、2026年9月14日から導入する計画としている。

ADR(米国預託証券)
米国外の企業の株式を裏付けに、米国市場で発行・売買される証券だ。SKハイニックスの場合、1 ADSが普通株0.1株を表すため、ADR 10株で本国の普通株1株に相当する。

ATS(代替取引システム)
既存の取引所以外で株式売買を成立させる私設市場を指す。NXT は資本市場法上の多数間売買体結会社として、2025年3月4日に韓国初の ATS として稼働した。

CXMT(長鑫存儲技術)
中国のメモリ半導体メーカーだ。上海STAR市場への上場初日に株価が約466%上昇し、韓国半導体株の下落を招いた要因の一つとなった。

【参考リンク】

Hyperliquid(外部)
パーペチュアル取引に特化した分散型取引所の公式サイト。HYPE トークンの発行元でもある。

HIP-3: Builder-deployed perpetuals(Hyperliquid Docs)(外部)
HIP-3 の公式仕様書。ステーク要件、スラッシング条項、クロスマージンの不可逆性と適格性基準を規定する。

TradeXYZ Documentation — Korea(外部)
SKHX の契約仕様。外部価格参照ウィンドウの時間帯と、ドル換算の方法が明記されている。

TradeXYZ 公式声明(X)(外部)
本件の公式声明。マーク価格の推移と、清算損失の補償方針が示されている。

DefiLlama — xyz:SKHX(外部)
SKHX の建玉と出来高を確認できるページ。オラクル提供者に関する表示も掲載されている。

NXT Market Overview and Trading System(外部)
Nextrade の市場概要ページ。各セッションの時間帯と約定方式を確認できる。

Guide to Trading in the Korean Stock Market(KRX)(外部)
韓国取引所の公式取引ガイド。値幅制限、サイドカー、サーキットブレーカーの発動条件を規定する。

Financial Services Commission(韓国金融委員会)(外部)
Nextrade へ ATS 本認可を付与した際の英文プレスリリース。制度導入の経緯を説明する。

SK hynix 2Q26 Business Results(外部)
2026年第2四半期決算の公式発表。売上高と営業利益の実績値を掲載する。

SK hynix Lists ADRs on Nasdaq(外部)
ADRのナスダック上場を告知した公式リリース。上場日と普通株比率を確認できる。

【参考記事】

Trade.xyz to cover SK Hynix liquidation losses(外部)
TradeXYZ の公式声明を報じた続報。マーク価格が1127.90ドルから917.25ドルへ18.7%下落したこと、引き金が NXT で成立した1株127万2000ウォン(前日終値181万6000ウォンから29.96%安)の約定であったことを確定値として示す。同社はオラクルが公表仕様どおり動作したと説明する一方、清算損失の補償を一回限りの裁量判断として表明した。NXT が9月に導入する静的VIにも言及している。

One Bad Price, 960 Liquidations: Inside SK Hynix Flash Crash on Hyperliquid(CryptoPotato)(外部)
被害の内訳を最も精緻に整理した記事。MarketsAlphaの推計として、960のロング口座で約5740万ドル相当が閉じられ実現損失は約1730万ドル、その後バックストップ移管を経て約100の利益ショート口座がADLされ約1080万ドルの利益が強制確定したという経過を示している。損失額と強制確定利益を区別している点が有用である。

Hyperliquid Explains $57 Million SK Hynix Perp Liquidations After Oracle Anomaly(BeInCrypto)(外部)
事故直後に TradeXYZ の仕様を確認し、xyz:SKHYNIXがクロスマージン、サムスン電子とヒュンダイの各契約が分離マージンで運用されていたと報じた記事。事故時点の設定を検討するうえで重要な同時期の二次報道となる。Hyperliquid Labs のコア貢献者による Discord での説明も引用している。

Hyperliquid’s SK Hynix Perpetual Plunges 19%, Wiping Out $57 Million After Korean Pre-Market Glitch(BigGo Finance)(外部)
権限と責任の配分に焦点を当てた分析。TradeXYZ がマーク価格を構成する3つのオラクル入力のうち2つを制御していたことを指摘する。スラッシングが被害者補償に回らない構造も明示している。

What is Hyperliquid’s HIP-3? How it works and use cases(OAK Research)(外部)
HIP-3 の制度設計を包括的に分析した記事。2026年6月時点で HIP-3市場全体の建玉の90%以上が TradeXYZ に集中しているという、市場構造上の集中度を指摘している。

【編集部後記】

TradeXYZ の仕様一覧には、外部価格の参照時間帯、ディスカバリー・バウンドの数値、そして各契約の証拠金方式が銘柄ごとに書かれています。DefiLlama の RWA Perps ページで xyz:SKHX を開けば、建玉と出来高が並びます。この2つを見比べれば、いま公開されている設定は確認できます。

確認しにくいのは、7月27日の夜に何が設定されていたかのほうです。手掛かりはHyperliquidのL1履歴に残っている可能性がありますが、仕様ページを見るだけで確認できる状態にはなっていません。NXTが9月14日に導入する2分間のコールオークションは、単発の異常約定を止める設計です。では、そのVIが作動して韓国側の板が2分間止まったとき、24時間動き続けるSKHXのマーク価格は何を参照するのでしょうか。

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By山本 達也

『デジタルの窓口』代表。名前の通り、テクノロジーに関するあらゆる相談の”最初の窓口”になることが私の役割です。未来技術がもたらす「期待」と、情報セキュリティという「不安」の両方に寄り添い、誰もが安心して新しい一歩を踏み出せるような道しるべを発信します。 ブロックチェーンやスペーステクノロジーといったワクワクする未来の話から、サイバー攻撃から身を守る実践的な知識まで、幅広くカバー。ハイブリッド異業種交流会『クロストーク』のファウンダーとしての顔も持つ。未来を語り合う場を創っていきたいです。

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